自然素材で快適で健康な住まいにリノベーション
- リフォームコラム

健康や快適性を重視し自然素材の導入を希望されている方へ、専門家の視点から知っておくべきポイントを詳しく解説します。
化学物質の使用を極力抑え、木の温もりや土の質感といった自然素材が持つ本来の良さを最大限に引き出すリノベーションは、住まいの価値を高め、ご家族の健康を守る大切な選択です。
しかし、一般的な建材とは異なる特性を持つため、事前の知識が欠かせません。
こちらのコラムでは、自然素材を使用するリノベーションのメリット・デメリットから、具体的な素材の特徴をご紹介します。
自然素材でのリノベーションとは?その魅力と注意点

近年、健康志向の高まりとともに、住まいに自然素材を取り入れるリノベーションへの関心が高まっています。
これはビニールクロスや合板などの化学物質を含む建材を避け、天然の木材、土、石、和紙など、自然界から採取された素材を内装や構造の一部に使用する手法です。
自然素材はその多くが調湿性や消臭性、断熱性といった優れた機能を持っており、住まいの空気環境を大きく改善し、快適な室内空間を実現します。
特に、小さなお子様やアレルギーをお持ちのご家族がいる場合、自然素材が持つ空気の質の改善効果は、大きなメリットとなります。
自然素材のリノベーションメリット
メリット①健康被害のリスク軽減

自然素材を採用するリノベーションの最大のメリットは、健康被害のリスク軽減です。
合板や一般的な接着剤などに含まれるホルムアルデヒドなどの有害な揮発性有機化合物の放出が極めて少ない、または全くないため、シックハウス症候群の予防に繋がります。
また、無垢材や珪藻土・漆喰といった素材は、高い調湿効果を持っています。
室内の湿度が高くなると水分を吸収し、乾燥すると放出するという、まるで呼吸するような働きで、日本の多湿な気候において非常に快適な湿度環境を保つのに役立ちます。
これにより、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。
メリット②独特の温もりや質感

無垢材の床は裸足で歩くと心地よく、経年変化によって色合いや風合いが増していくため、住み続けるほどに愛着が深まります。
これは、工業製品にはない自然素材ならではの特性です。
具体的な効果として、例えば無垢材は衝撃を吸収しやすく、また熱伝導率が低いため、冬でも足元が冷えにくいという特性があります。
珪藻土や漆喰の壁は光を優しく拡散し、目に負担をかけにくい柔らかな空間を作り出します。
これらの素材には、生活臭を吸着・分解する消臭作用を持つものもあります。
このように、自然素材は見た目の美しさだけでなく、機能性においても非常に優れているのです。
リノベーションの計画段階で、これらの素材をどこに、どのように使用するかを専門家と綿密に打ち合わせることが、成功への鍵となります。
自然素材のリノベーションデメリット
デメリット①コストが高くなる

自然素材にはいくつかのデメリットも存在します。一つは、コストが高くなる傾向があることです。
天然の素材は製造に手間がかかることや、希少性、そして職人の高い技術が必要となるため、ビニールクロスや合板といった工業製品に比べて材料費・施工費が高くなることが一般的です。
リノベーションの総費用が高くなることを考慮に入れ、予算計画を立てる必要があります。
デメリット②お手入れやメンテナンスの手間

二つ目のデメリットは、お手入れやメンテナンスに手間がかかる場合がある点です。
例えば、無垢材の床は水分や傷に弱く、定期的なオイルメンテナンスが必要になることがあります。
また、調湿効果の高い塗り壁材は汚れを拭き取りにくい、ヒビ割れが生じることがあるなどの特性があります。
しかし、これは欠点というよりも、自然素材が持つ個性と捉えることもできます。
自然素材は手をかけることで、より深く美しい風合いへと変化していくため、そのメンテナンスを楽しむという感覚も大切です。
デメリット③品質のばらつき

三つ目の注意点として、品質のばらつきが挙げられます。
天然の木材などは色味や木目、節の有無などに個体差があり、仕上がりの均一性という点では工業製品に劣ります。
これもまた自然素材の魅力の一つですが、均一な仕上がりを重視される方にとっては、デメリットとなる可能性があります。
専門家と相談し、素材ごとの特性を十分に理解した上で選択することが重要です。
リノベーションで活躍する代表的な自然素材を紹介
自然素材と一口に言っても、その種類や特性は多岐にわたります。
リノベーションの目的や場所に合わせて、最適な素材を選ぶことが重要です。
ここでは、リノベーションで特に人気が高く、機能性にも優れた代表的な自然素材をご紹介します。
無垢材

無垢材(むくざい)とは、一本の原木から切り出した木材で、貼り合わせや集成をしていない、天然のままの木のことです。
床材や柱・梁など、構造材から内装材まで幅広く使用されます。
無垢材の最大の魅力は、その優れた質感と調湿性です。
木材が持つ温かみのある肌触りは、フローリング材として使用した際、足元に心地よさをもたらし、特に冬場でもヒヤッとしにくいという特徴があります。
また、無垢材は生きて呼吸しているため、室内の湿度を一定に保とうとする働きがあります。
湿度の高い夏には水分を吸収し、乾燥する冬には水分を放出し、快適な湿度環境を作り出してくれます。

無垢材にはスギ、ヒノキ、パイン、オーク、ウォールナットなど、多種多様な樹種があり、それぞれに硬さ、木目、色味、香りが異なります。
例えば、スギやヒノキは柔らかく足触りが良い反面、傷がつきやすいという特性があります。
オークやウォールナットなどの広葉樹は硬く、傷がつきにくいですが、価格は高くなる傾向があります。
リノベーションの際には、使用する場所や求める機能、予算に合わせて、専門家と相談しながら樹種を選ぶことが大切です。
また、無垢材は経年変化(エイジング)を楽しむことができるのも魅力です。
時間の経過とともに色が濃くなったり、ツヤが増したりと、住まいの歴史とともに風合いが変化していく過程は、工業製品にはない自然素材ならではの醍醐味です。
ただし、前述の通り水に濡れたまま放置するとシミになりやすいため、適切なメンテナンスが不可欠です。
珪藻土

珪藻土(けいそうど)は、太古の植物性プランクトン(珪藻)の殻の化石が堆積してできた土で、多孔質(非常に小さな穴がたくさん開いている構造)であることが大きな特徴です。
この多孔質な構造が、珪藻土に驚異的な調湿性能と消臭性能をもたらします。
壁材として使用することで、室内の余分な湿気を吸い取り、乾燥時には吐き出すことで、快適な湿度を保ちます。
結露の発生を大幅に抑え、カビやダニの繁殖を防ぐ効果も期待できます。
特に湿度の高い季節や、湿気がこもりやすい部屋のリノベーションには最適な自然素材と言えます。
珪藻土はその機能性だけでなく、独特の温かみのある質感も魅力です。
職人の手作業による塗り壁の仕上げは、画一的ではない、表情豊かな空間を作り出します。
色味やパターンも豊富に選べるため、和風、洋風を問わず様々なインテリアデザインに合わせることが可能です。

また、珪藻土にはタバコやペット、料理の匂いなどを吸着する消臭効果もあります。
シックハウスの原因となる有害物質も吸着・分解するとされており、健康に配慮したリノベーションには欠かせない素材の一つです。
ただし、珪藻土は水に濡れると強度が落ちる製品もあるため、水回りへの使用には、耐水性を持たせた専用の製品を選ぶなどの注意が必要です。
また、一度付いた汚れは落としにくい場合があるため、日々の生活の中での配慮も大切になります。
漆喰

漆喰(しっくい)は、消石灰(水酸化カルシウム)を主成分とし、これに海藻のりや麻などの繊維を混ぜて作られる、日本の伝統的な塗り壁材です。
漆喰の壁は白く美しい仕上がりが特徴的で、光を優しく反射し部屋全体を明るく、清潔感のある空間にします。
珪藻土と同様に調湿効果もありますが、漆喰の方がより硬く、平滑な仕上がりになるため、モダンな空間にもよく合います。
城郭や寺社仏閣などにも古くから使われてきた歴史があり、その耐久性と美しさには定評があります。

漆喰は時間とともに空気中の二酸化炭素を吸収し、主成分が炭酸カルシウム(石灰石)に戻るという特性を持っており、非常に耐久性が高いのが特徴です。
また、強アルカリ性であるためカビや菌の発生を抑える作用があり、衛生面からも優れた自然素材と言えます。
防火性にも優れており、万が一の火災の際にも安心感を与えてくれます。
ただし、漆喰も職人の高い技術が必要な塗り壁材であるため、施工費用は高めになる傾向があります。
また、乾燥に時間がかかるため、工期が長くなる可能性も考慮に入れておく必要があります。

自然素材は季節や環境によって伸縮したり、水分を吸収・放出したりと、工業製品にはない「生きた」特性を持っています。
自然素材を扱うリノベーションは、通常のリフォーム以上に、業者の知識と技術力が重要になります。
素材の特性を理解していない場合、かえって建材を傷めてしまう可能性があるため、ご自身でDIY補修を試みることは避けるようにしてください。
専門家に相談し適切なアドバイスと施工を受けることが、リノベーションの品質を保つための最良の選択です。
リノベーションでご不明な点や具体的なご相談がございましたら、ぜひお気軽にドリームリビングへご相談ください。
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